妊娠中毒症が重症化した状態での妊婦さんの高血圧は、一般的な降圧薬では、殆ど血圧をさげることはできません。


 
しかしながら、胎児が死亡、あるいは胎児を帝王切開で出産させるとお母さんの血圧は下がります。そのため、産婦人科医は、未熟児であっても胎児を出産させて妊娠中毒症に対処しています。

胎児は胎盤から酸素を得ていますが、お母さんが妊娠中毒症になると胎児は自分を守るため、血圧を上げて、子宮内の酸素不足に対応します。


胎盤は、基本的には胎児の臓器ですが、母体臓器である子宮に付着して、母体の血液から酸素などをもらい、また老廃物を母体側へ出します。

胎児の血圧は母体と比べはるかに低血圧で、胎盤の血管の血圧は更に低いのです。


母体に一般的な降圧薬が投与されると、降圧薬は母体のみならず、胎盤の血圧を下げてしまいます。このことは、妊娠中毒症が重症化した状態での胎児が、自らの血圧を上げて、子宮内の酸素不足に対応する努力を損なうと思われます。

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