2014年03月

妊婦に温泉は「ダメ」です。

読売新聞  2014125() 配信



環境省は、温泉法で掲示が義務づけられている注意書きや効能の内容を32年ぶりに見直し、妊娠中は温泉の入浴を避けるべきだとした従来の規定を削除する方針を決めた。




 温泉法は、温泉施設内の見やすい場所に、温泉の成分や、健康上の問題などから入浴を避けるべき症状(禁忌症)、入浴や飲用上の注意書きを掲示するよう定めている。

 現在の掲載内容は1982年に定められ、禁忌症にはがんや重い心臓病とともに妊娠が盛り込まれた。しかし、医師などの専門家から「医学的な根拠に欠ける」との指摘があり、同省は見直しを検討してきた。

 同省は24日に新たな掲示基準案を公表し、2月7日までの一般からの意見公募(パブリックコメント)を経て、正式に決定する。同省は「温泉成分によって床が滑りやすい施設もあり、妊婦には危ないと判断されていたようだ」と話している。環境省は、妊娠中は温泉の入浴を避けるべきだとした根拠は「記録が残っておらず定かでないが、外国の文献や俗説を参考にした可能性がある」と説明。

と報道されました。



しかも、日本産婦人科医会報では見直しにより妊婦も安心して温泉を楽しむことができそうだとコメントしています(日本産婦人科医会報平成26年3月1日)。



この“妊婦に温泉解禁”という流れを、妊婦の皆さんはどのようにお考えになられますか?

日本産婦人科医会の偉い先生方が、安心して温泉を楽しめるとコメントして環境省の見直し方針を支持しているから、大丈夫と言えるのでしょうか?



私は、1982年に定められた温泉法は、外国の文献や俗説を参考にして決めたのではないと思います。我々の先人の経験から得た貴重な知恵の教訓の賜物なのです。前回3月1日のブログ『流産を防ぐには安静が第一』と今年1月6日のブログ『高層マンション症候群:馬鹿げた考えの広まり』(コチラ)を、ぜひ、お読みください。

「妊婦は温泉ダメ」の理由が、よくお解りいただけると思います。温泉だけでなく、妊娠時は長風呂もよくないのです。



 


 


 


 


 


 


 


 


 

流産を防ぐには、安静が第一です。

男女雇用機会均等法


妊娠中及び出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その女性労働者が、その指導を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければなりません。(男女雇用機会均等法第13条関係)
 負担の大きい作業としては、下記の作業があり、これらのような負担の大きい作業に従事している妊娠中又は出産後の女性労働者がいた場合、例えば、座作業、デスクワーク、負荷の軽減された作業への転換により、負担の軽減を行うことが望まれます。

1.
重量物を取り扱う作業
継続作業68㎏以上
断続作業10㎏以上
 2.外勤等連続的歩行を強制される作業
 3.常時、全身の運動を伴う作業
 4.頻繁に階段の昇降を伴う作業
 5.腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を強制される作業
 6.全身の振動を伴う作業 等

男女雇用機会均等法には妊娠中の女性労働者への事業者の配慮が書かれています。


 ところが、最近の
産婦人科研修医の間には、妊娠初期の注意事項として、妊婦さんに、重いものは持たないようにする注意は意味がないとする考えのあるのに気が付きました。一体このような考え方が何故広まっているのか?大変疑問におもいます。

その妊娠が、大丈夫なものは大丈夫だし、ダメなものはダメというような考え方は、すなわち、安静にしようが、しまいが、流産するものはするし、しないものはしないとする妊娠に対する考え方は、根本から間違っているとおもいます。このような浅薄な考えの産婦人科医、すなわち流産の原因を全く理解していない、あるいはしようとしない産婦人科医が増えているのは、誠に情けないといわざるをえません。産婦人科医療の今後が思いやられます。

胎児側に原因がある場合(染色体異常や奇形など)と感染症などによるものを除いて、初期の流産も、切迫早産もその背景因子は基本的におなじと私は考えています。

母体の過剰な労働(立ち仕事など)がなぜ、流産や迫早産の背景因子となるのかは、P-LAPブログ本年1月6日のブログをお読み頂ければ、そのヒントが見つかるはずです。

理研女子の研究は、再生医療の名のもとの多額の血税が使われているのでしょうか?

“STAP論文を調査 理研、外部から指摘

共同通信社  2014218() 配信


 新しい万能細胞「STAP細胞」作製を発表した理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダーらの論文に、外部から「データに不自然な点がある」との指摘が寄せられ、理研は17日までに、確認のための調査を始めた。

 理研は「研究成果自体は揺るがないと考えている」としており、調査結果がまとまり次第公表する方針。“

この報道は、なるほどとも思えるとともに、その前までの報道・マスコミの馬鹿らしいほどのはしゃぎ方が、実に滑稽におもえます。

 私は、古い大学の伝統的な医局の中で、研究費も殆ど与えられず、また研究助手もなく、止むを得ず自らの薄給を割いて、個人的に研究助手を雇いささやかな研究を継続してきました。ピンク色の華やかな研究室など考えにも及びませんでした。また昼夜を問わない臨床に疲れはてた体に鞭を打って、自らの考えるところの命題を研究するのは、並大抵なことではなく、患者さんの血液に汚れた白衣を着て実験した過去の日々を思い出すと、ムーミンを飾った研究室で割烹着を着て実験をするなどとても正気の沙汰とは考えられません。

私は、無論この領域の研究にはマスコミ同様に素人なのですが、多少基礎医学を勉強してきた経験から、当初から理科系女子の論文の結果には疑問を抱いていました。
彼女のハーバード大の師匠のチャールズ・バカンティ教授は背中に耳があるマウスを作製した著名な研究者です。ところでバカンティマウス(Vacanti mouse)とは、背中にヒト耳が成長しているように見える実験用ヌードマウスのようです。「耳」は実際には、生分解性の耳の金型に牛の軟骨細胞を播種し成形した耳型軟骨をマウスの皮膚下に移植したものです。私は、背中に耳があるマウスというので、ぎょっとしたのですが、なんか悪趣味な研究にかんじたのですが、皆様はいかがですか。ヌードマウスなので拒絶反応はないので、耳型軟骨はうまく耳のようにみえたのでしょうか?ご苦労様と言いたい気持ちです。

再生医療の名のもとに、どこかの国では多額の国費がばらまかれているようです。おそらくこの多額な研究費(税金)に群がる多くの業者や、本省(税金のでどころ)と研究者(研究費)とを媒介する多くのブローカーを大変喜ばせていることでしょう。

理科系女子のグループも再生医療の名のもとにばらまかれているこの税金を使用して実験をされているのでしょうか?再生医療は、果たして医療の未来を解決する事ができるのか、個人的には大変疑問に思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
臨床医としていつも思うことは、病気を治療するという事は、トカゲの尻尾を修復するような、簡単な事ではないという事です。


本年1月1日の私のブログを是非ご覧ください。今回の論文によって、
ネイチャーは素晴らしい学術雑誌として、さらにインパクトファクターがあがるのでしょうか? 





 


 

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