▽男性の更年期と男性ホルモンの関係は、以前に講座No.62で紹介しました。次の内容は、米CNNが昨2018年9月19日に報じたニュースの抜粋です。性の健康(セックス)と男性ホルモンの関係を取り上げています。

▽性の健康とは、セックスにおいて肉体的、精神的、社会的に健全な状態をいいます。何とも抽象的な説明ですが、性の健康は、気分、活力(エネルギー)、栄養状態、遺伝、年齢、健康状態、医療を受けているかなどに影響されます。

▽心臓に堪える激しい運動、例えばマラソンなどは、男性ホルモンのレベルを確実に低下させます。性の健康は、精神、肉体そして社会的な健康状態を反映しています。最近、勃起不全や性欲の低下を訴える若者が増えています。臨床医の一部は、肥満、ストレス、睡眠障害などが、この原因と考えています。しかしながら性の健康は、男性ホルモンの低下が確実に影響するのです。

▽男性ホルモンの低下は、老人では当たり前です。男性更年期とは、加齢に伴い確実に進行する男性ホルモンの低下なのです。実際のところ、40才を超えると、男性は毎年3%ずつ男性ホルモンの低下が起こります。60才後の男性の20%は、男性更年期になるとされています。ある統計によると、80才の男性の男性ホルモンは、青年期の平均50%に低下するとされています。

▽男性ホルモンの低下の結果、男性は不眠、体重減少、筋肉の衰えや骨量の減少、怒りっぽく、鬱になりやすく、性欲低下や性の健康(セックス)の問題を抱えるようになります。ただ必ずしも、年齢のみが男性ホルモンの低下原因ではありません。性の健康は、様々な要因で影響されます。

▽性の健康改善の選択肢として、男性ホルモン療法がありますが、副作用が問題になります。精子の減少や睾丸の萎縮などです。男性ホルモンは、他のすべてのホルモンと同様、精神的、肉体的な作用を及ぼします。男性ホルモン療法は、血液のホルモン値を調べて、その低下を認める場合に実施すべきと考えられます。

▽言い換えると、性の健康に与える他の多くの要因を調べた後、総合的に判断されるべきでしょう。運動は、男性ホルモンを上昇させると考えられています。しかし、すべての運動が、男性ホルモンを上昇させるとは限りません。既に述べたマラソンなどは違うのです。

▽一方、ウェイトリフティングなど足や背中の大きな筋肉を使う運動は、男性ホルモンを上昇させます。重量挙げやスクワットは、男性ホルモンを上昇させる最適の運動です。半面、肥満は男性ホルモンの低下につながります。脂肪細胞は、スポンジみたいに男性ホルモンを吸い込み、男性ホルモンが体内で上手く働かなくなると説明されています。

▽男性ホルモンがつくられるには、炭水化物も必要ですが、繊維質の多い果物、野菜、豆類、穀物、豆類などが好ましいのです。牧草で飼育された牛肉、ココナッツ油、マカデミアンナッツなどは男性ホルモンを増やすのに効果があります。快適な睡眠は、男性ホルモンを最適量にするように働きます。寝室を快適な空間にして、室温を適温にし、快適な入浴も大事です。リラクッス法としての深呼吸や瞑想も良いでしょう。

▽男性ホルモンの低下が診断された人は、ビタミンDや亜鉛が男性ホルモンを作るのに大切なことが分かっています。ある種のハーブも効果が期待されます。性の不健康は、すべてが男性ホルモンの低下によるのではありません。他に何か原因があるのではないか。自問自答すべきでしょう。