いわゆる、「クローン技術」を使うと、さまざまな細胞に変化するといわれるヒトのES細胞(胚性幹細胞)から患者と同じ遺伝情報をもつ心臓の筋肉や神経の細胞などをつくることができる。つまり、山中伸弥氏が作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)と同じような再生医療に応用することが可能であると報道されていました。

 

アメリカ、オレゴン健康科学大学の、立花真仁(まさひと)研究員らの研究チームは、健康な女性の卵子をつかって、その遺伝情報の入った「核」を取り出し、そこへ他人の皮膚細胞の核を移植しました。150個ほどまで細胞分裂させたがそれ以上育てるのは困難でした。ネズミやサルでは成功した技術でしたが、やはりヒトでは難しかったのです(5月16日(木)読売新聞)。

 

2011年11月21日の日本経済新聞の記事によれば、世界にさきがけて胚性幹細胞(ES細胞)を使用して、ヒトでの臨床試験に取り組んできたアメリカのバイオベンチャーのジェロン社が、再生医療から撤退すると報じられました。このわずか1年余りの方針転換に、再生医療の事業化がいかに難しいかをあらためて知らされました。

 

はたして、2011年からこの分野で飛躍的な進歩発展があったのでしょうか?また、今後「クローン技術」はヒトの様々な難病の治療法として期待できるのでしょうか?私は疑問に感じるのですが、皆様はいかがでしょうか?