▽私たちのNPOは、妊娠高血圧症や切迫早産の治療で、胎児と妊婦さんに安全で優しい治療とは何かを真剣に考え続けています。それは、今なお、十分解決されていない大きな医学上の問題になっているからです。





▽ただ現行の標準的な治療方法を「母子に危険」と批判するばかりでは、あまりに無責任です。NPO理事長・水谷栄彦名古屋大名誉教授は、過去の臨床と膨大な基礎研究の成果を基に、代替治療法に関する論文をドイツ・ミュンヘンの雑誌社『Georg Thieme Verlag KG』に投稿し採用されました。





▽インターネットの時代です。この代替治療法(ホルモン療法)の存在は、世界中に広がっていくでしょう。論文のタイトルは「New Insights into the role of sex steroid hormones in pregnancy: possible therapeutic approach by sex steroid hormones for the treatment of both preeclampsia and preterm labor」です。

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▽妊娠期間は胎児の成長とともに母体とのホルモン動態の恒常性を保つことが極めて重要になります。そして、妊娠末期でいよいよ出産する場面ではホルモンとそれらの分解物質との微妙なバランスが適切な分娩タイミングを決定する要素となります。





▽このバランスが破たんすると、妊娠高血圧症や切迫早産のように胎児や妊婦さん、あるいは双方の命とりになりかねません。この考え方を分かっていただけると、万が一、バランスが破たんをきたすような場合、それを修復するため、適切な量のホルモンを母体外から投与するホルモン療法が最も理に適っています。





▽ただ残念ながら、この基本的なメカニズムは、いまだに医学界でも十分周知されていないのが現状です。その結果、胎児、さらには母体にも危険な影響を与えかねない薬剤が漫然と使われています。薬剤の危険性は2014年11月18日発売の「週刊朝日」でも4ページの特集を組んで指摘しています。





▽さらに胎児が十分発育していないにもかかわらず、母体の帝王切開を選択して胎児を取り出す方法が採られています。





▽論文は、ステロイド治療(steroid hormones for the treatment)となっていますが、この場合のステロイドは女性ホルモン、即ちエストラジオール(女性ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。









▽論文は英語ですが、その内容の一部は日本語でも読めます。NPOが2013年3月に発刊した『妊娠中毒症と早産の最新ホルモン療法‐胎児は今の薬で安全か?』(静岡学術出版)、「NPO法人妊娠中毒症と早産の胎児と母体を守る会」のホームページに、その内容を平易に紹介しています。論文の全原文はコチラ。