このブログ(2015年8月12)に2例目のiPS細胞由来の網膜移植が延期された事を書きました。この話題は、国家プロジェクトの「再生医療」の対象となり、マスコミも大々的に取り上げていたのは皆さん記憶にあると思います。iPS研究の疾患への応用は、トップクラスの研究者たちが、莫大な国の研究費を使って取り組んでおり、その分、患者さんのみならず国民も大きな期待を寄せています。このブログで、iPS細胞由来の網膜移植の人への臨床応用が本当に現時点でできるのか?そろそろ、いますぐに出来ること、出来ないことを国民や患者さんに率直に明らかにするのも、科学者としての責務ではないでしょうかとのべました。

今年の7月31日の神戸新聞に 理化学研究所は31日、生命機能科学研究センター(神戸市中央区)の高橋政代プロジェクトリーダー(58)が同日付で退職する報道をしました。

新聞では、高橋氏は「理研との協力関係を継続しつつ、視覚障害を克服する医療開発に貢献できるよう、新しい医療の創出にまい進したい」とのコメントを出した。高橋氏が率いてきたチームは、失明の恐れがある「滲出型加齢黄斑変性」の患者に、患者自身や他人のiPS細胞から作った網膜細胞を移植する臨床研究に取り組んでいる。今後の研究に高橋氏がどのように携わるかについては、理研は「未定」としている。

昨日大阪大学から、iPS細胞から作った角膜細胞を移植する臨床研究の大成功の報道がありました。光は外から入り、角膜瞳孔水晶体硝子体網膜の順に進み網膜で認識します。莫大な国の研究費を使って取り組んでいるiPS細胞の患者への応用が是非とも人類の夢をかなえる事を祈っています。